自家製の甘酒には2種類あります。

「酒粕」をお湯に溶いて、砂糖を加えて作るもの、こちらはアルコールが含まれます。
「みやここうじ(米麹)」の発酵するチカラで作るもの、こちらはノンアルコールです。

今回ご紹介するのは、「みやここうじ」のほうです。

この方法では、「甘酒」の名前のとおり、
材料の「おかゆ」が信じられないほど甘くなります、これは「みやここうじ」のチカラです。
みやここうじが甘いわけではありあませんし、砂糖は一切加えません。

今回わたしが一番お伝えしたいのは、
麹菌は生きてるから温度や、おかゆの状態で、発酵の仕方も異なります。
ズバリ、毎回味が違うんです。コレが楽しい!!!

これはもう、やり始めたらキリがないですよ!
毎回どんな味に仕上がったか楽しみながら、健康にもいい、一石二鳥。

 

 

 

みやここうじ とは

株式会社伊勢惣さんの、米麹を乾燥させた「商品名」です。
スーパーマーケットで簡単に手に入れることができます。

もう少し掘り下げて解説いたします。

 

こうじ(麹菌)の役割

日本人と「麹菌」は密接な関係があります。
私たちが普段使ってる、味噌やしょうゆ、みりんや日本酒を造るのに欠かせません。

アジアにしか生息してない菌の一種です。
素材に含まれるタンパク質やデンプン質を分解して、様々な栄養素に変えてくれます。
それが私たちの健康に良いとされる、健康志向のブームにもなったわけです。

わたしたち一般消費者は「麹菌を購入する」ことはありません。

業者さんが、
蒸した米や大豆などに麹菌を撒いて、温度・湿度など一定条件のもとで大量に繁殖させます。

米で繁殖させた麹菌は『米麹』として販売されてます、大豆なら『大豆麹』ですね。
米と『米麹』をつかえば甘酒に。
大豆と『大豆麹』をつかえば味噌が造れます。

業者さんのおかげで、
わたしたちは繁殖後の「麹」を買ってきて、気軽に調理に使うことができるわけです。

 

こうじ(麹菌)の管理

こうして出来上がった『米麹』ですが、菌の繁殖は進行中です。
これを袋詰めしてスーパーマーケットで販売するには管理が大変です。

菌が繁殖し続けますので日持ちがしません。
また、いざ家庭で使う段になって「菌」の状態や基準が毎回違うのでは、料理に活かすのは困難かもしれません。
この状態の物は【生こうじ】として販売されてます。
スーパーには、ほとんど置いて無いので、メーカーから通販などで買うのが一般的です。

他方、出来上がった米麹から水分を飛ばして乾燥させる技術を使った物が【乾燥こうじ】と呼ばれる物です。
菌の繁殖をストップさせ、一定の基準で長期間の保存ができます。
この代表的な商品が、株式会社伊勢惣さんの『みやここうじ』になるわけです。

 

 

みやここうじ で味の調整

まず基本的な知識を申し上げます。
自家製の甘酒造りは、麹菌を使った「発酵」を利用します。

米と「みやここうじ(麹菌)」を混ぜるわけですが、
米(おかゆ)の主成分は「デンプン」です。

デンプンが米麹(麹菌)のチカラによってブドウ糖に変わっていきます。
なので、甘く変化していきます。

上手にできれば、「砂糖入れたの?」と思うほど米(おかゆ)が甘くなります。
これが「甘酒」です。

さらに発酵が進んでしまうと、酸っぱくなってきます。

おいしい甘さを造りだすのは「発酵」がカギを握ってます。

蛇足ですが、甘酒には「酒」とついてますが、アルコール分は有りません。
お子様も安心して飲むことができます。

発酵は、
ほかにも様々な栄養素が生まれます。

例えばアミノ酸や各種ビタミンなど。
その種類は100種にもなると言われてます。

「麹菌」が身体に良いというよりも、
「麹菌」の酵素による【発酵】で生まれた沢山の成分が、人間の身体に良いわけです。

麹を使った健康食品系のなかには
「麹をそのまま体に取り込める」とか、
「麹のパワーで健康!」とか宣伝してるのも有るみたいです。
麹菌自体は胃酸で死んでしまいます。発酵作用がなければ栄養素が生まれない理屈からすると、どこまで本当なのか私には分かりませんが。。。。

「発酵」には温度や時間が深く関係します。

 

麹菌とおかゆの関係

さらさらのおかゆと、どろどろのおかゆでは、甘酒の仕上がりも違います。

一般的に、
水分が多いと甘みが少なく、薄い味に感じます。酸味が増すこともあります。
水分が少ないととろみのある仕上がりが期待できます。

 

麹菌と温度の関係

麹菌は熱に弱く「60度~70度」で失活します。
発酵する力を失います。

自家製「生甘酒」を作るときに8~10時間保温するわけですが、
この時に70度を超えてしまうと、おかゆは発酵されません。

なので熱くなりすぎないように「炊飯器のフタを開けたまま布をかぶせて保温する」というわけです。

また、美味しい甘酒が出来上がったときは“甘さ”を維持するために70度以上で煮沸します。
菌を失活させて酸っぱくなってしまうのを防ぎます。

 

麹菌と経過時間の関係

どこまで発酵させるか!という話ですが、
いろいろ試すのもアリだと思います。

試飲を、6時間・8時間・15時間などで試せるのも自家製の醍醐味。
糖度の変化を感じることができます。

甘さが増して来たら、炊飯器の保温を終了します。
冷蔵庫保管にチェンジするのも良いです。

ただし、冷蔵庫の場合は発酵速度が遅くなりますが「発酵は続きます」

最後は酸っぱくなってきますのでご注意を。

 

 

 

炊飯器で自家製の甘酒を作る手順

数々のサイトで紹介されてますので、ポイントだけ簡潔にお伝えします。

手順1:材料をそろえる

「みやここうじ」一袋。
封を開ける前に指でボロボロになるまで揉みほぐします。
このとき袋がパンパンに膨れ上がってきますが異常ではありません。

 

手順2:おかゆを炊く

「みやここうじ」に説明が書いてありますが、
1合のお米を、水3合のメモリでお粥を炊く。
私は冒険派なので、いつも違う水量で炊いて、麹をまぜるときにお湯を足して調整をしてます。

 

手順3:温度を下げる

60度以下にしてあげないと、入れた麹菌が発酵を始める前に失活してしまいます。

 

手順4:「みやここうじ」を入れる

私は、おかゆに混ぜない部分を残します。
こうすることで、おかゆの中が高温で失活しても、菌が生き残れるのでは?と思ってます。

 

手順5:8~10時間待つ

 

 

甘酒つくりの為に「保温温度 高・低」調整できる炊飯器を買いました!

 

 

ここから先は、経験則で楽しめます。
あるときは、まんべんなく混ぜたら菌が失活しました。(発酵の泡がありません)

 

 

あるときは、まぜなかったら発酵が勢いよくて泡だらけでした。

 

 

あるときは、酸味まで進行し、煮沸せずに飲んだら発酵臭のゲップとおならが止まらずに大変な思いをしました。

 

 

 

まとめ

自家製は造る楽しみ、味わう楽しみ、
そしてなによりも防腐剤などの添加物が入らないわけですから、本当に健康にも良いと思います!!

飲む直前に「煮沸」した方が良いか・否か、ずっと調べてるのですが人それぞれ書いてあることが微妙に違います。

軽く煮沸してから飲みましょう….何のためか?殺菌ではないです、たぶん。
70度以下に温めて飲みましょう….麹菌は胃酸で死滅するらしいですが、どうして?
麹が摂取できます….「麹」と言うよりも麹のおかげで100種もの酵素を生み出して、そちらが健康の為なのでは?

味の調整については、本当に奥が深いです!毎回出来上がるのが楽しみです!!

炊飯器とみやここうじだけで生甘酒を作る方法について、いかがでしたでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました。